「あれ?私、口の中で銀歯がぎらぎら光ってる・・・」
人前で大きく口を開けて笑ったときに目立つ「ぎらぎらと光る銀歯」や「銀歯のせいで歯が黒ずんで見える」といった「治療後の歯の見た目」で悩んでいる方は少なくありません。
日本国内の歯科医院では、保険制度を利用して保険適用の治療を受けることが出来ます。しかし、保険診療で行う治療では、ぎらぎらと光って目立つ銀歯や、レジンなどの耐久性に欠ける素材しか使えない、というデメリットがあります。
これに対して、保険適用外の自費診療では、セラミックやジルコニアなど、審美性に優れ耐久性が高い素材を使った治療が可能となります。このため、現在では歯科治療を受ける多くの方が見た目が良く機能性も高い自費診療による治療を選択しています。
今回は、保険適用の治療と保険適用外の治療の違いについてお話をさせていただきます。
目次
保険適用の治療と保険適用外の治療の違い
保険が適用される治療は、治療方法や治療に使う素材があらかじめ決められているため、治療法や素材を患者様が選ぶことは出来ません。(2種類程度の素材であれば選択可能です)
これに対して、保険適用外の自費診療では出来るだけ痛みを少なくする治療方法や精密機器を使った治療が選択可能となるほか、治療に使う素材も陶器から出来ているセラミックや人工ダイヤモンドのジルコニア等、耐久性の高い素材から選べるようになります。
保険適用で行う審美治療
保険適用で行う審美治療には、主な治療として以下の4種類があります。
- コンポジットレジン(詰め物)
- 硬質レジン前装冠(かぶせ物:中切歯、側切歯、犬歯にのみ保険適用が可能)
- 硬質レジンジャケット冠(かぶせ物:中切歯、側切歯、犬歯、第一小臼歯にのみ保険適用が可能)
- ハイブリッドセラミックレジン冠(かぶせ物:第一小臼歯、第二小臼歯にのみ保険適用が可能)
上記4種類の保険適用で行う審美治療では、白いプラスチック樹脂であるレジンもしくは微細なセラミックとレジンをミックスしたハイブリッドセラミックレジンのみが選択可能となります。
保険適用で行う審美治療のメリット
- 保険適用で比較的安価に歯を白くすることが出来る
- コンポジットレジンや硬質レジンジャケット冠は金属を使用していないため、金属アレルギーを起こす心配がない
保険適用で行う審美治療のデメリット
- 材質は樹脂もしくは微細なセラミックを混ぜた複合樹脂のみとなり、強度に欠ける
- 治療を適用出来る範囲が限られてしまう
- 硬質レジン前装冠の場合、裏側は銀色の金属となるため、審美性に劣る
- 樹脂素材のため耐久性に欠け、長期間の使用ですり減り(磨耗)が起こり、着色・変色してくる
- 樹脂素材のため透明度が低く、セラミックのような天然の歯に近い色調は出せない
- ハイブリッドセラミックレジン冠については、歯科医院の院内にCAD/CAMの機械が無ければ保険適用で治療を行うことは不可能
保険適用外(自費診療)で行う審美治療
セラミックインレー(詰め物)
小さな虫歯および銀歯を白くする際に行う治療で、陶器から作られているセラミックを使用します。
メリット
- 見た目は天然の歯とほとんど変わらない
- 汚れが歯に付着しにくく、変色にも強い
- セラミックのため金属アレルギーを起こすおそれがない
[デメリット]
- まれに欠けや割れが発生する
- ほかの素材よりも歯を削る量が多い
ハイブリッドセラミックインレー(詰め物)
プラスチック樹脂で出来たレジンと陶器から作られているセラミックを混ぜてある詰め物で、小さな虫歯および銀歯を白くする治療で用います。
現在は保険適用の治療でもハイブリッドセラミックが使われていますが、自費診療で使用する物は保険診療の物よりもセラミックの割合が多く、耐久性も高くなります。
メリット
- 陶器だけのセラミックインレーよりもしなやかなため割れにくい
- 金属アレルギーを起こすおそれがない
デメリット
- 長期間の使用で変色が起きる
- 長期間の使用ですり減り(磨耗)が発生する
オールセラミッククラウン(かぶせ物)
クラウン全体が陶器から作られているかぶせ物で透明感が高く、審美歯科治療で用いる歯科用素材の中ではもっとも天然の歯に近い白さと美しさを再現出来る、という特徴があります。
メリット
- 透明感が高く、天然の歯とほとんど変わらない色調の歯を再現出来る
- 汚れが歯に付着しにくく、変色に強い
- セラミックのため金属アレルギーを起こすおそれがない
デメリット
- ごくまれに欠けや割れが発生する
- ほかの素材よりも歯を削る量が多い
メタルボンドクラウン(かぶせ物)
金属の土台で出来たクラウンの表面に、陶器から作られているセラミックを盛り付けたかぶせ物です。
メリット
- クラウンの土台が金属のため強度がある
- 自然の歯の色に近い色調を出すことが出来る
- 変色しにくい
デメリット
- 金属アレルギーを起こすおそれがある
- 光の当たり具合によっては中の金属が黒く透けて見えることがある
- 天然の歯よりも硬いため、噛み合わせ部分にある歯を痛めやすい
ジルコニアクラウン(かぶせ物)
クラウンの土台が人工ダイヤモンドのジルコニア、表面部分はセラミックで出来ているかぶせ物です。
メリット
- 人工ダイヤモンドで出来ているため強度が高い
- 透明度が高く、自然の歯に近い色調を再現出来る
- 汚れが付着しにくく、変色しにくい
- 金属アレルギーを起こすおそれがない
デメリット
- まれに欠けや割れが発生する
- ほかの素材よりも歯を削る量が多い
- 天然の歯よりも硬いため、噛み合わせ部分にある歯を痛めやすい
保険適用外の審美治療にはメリットがたくさんあります
保険が適用される治療と保険適用外の治療の違いについてご紹介しました。
今回お伝えしたように、保険が適用される治療と保険適用外の自費診療による治療とでは、治療方式や治療に使われる歯科用素材に大きな差が生じてきます。
しかし、治療を受ける多くの患者様はどうしても「そんなに高いお金を払わなくても、治療出来るなら保険適用で安い方が良い」と考えがちです。確かに、「治療さえしてくれれば良い」という考え方も間違ってはいないのですが、保険適用外の審美治療では保険適用の治療には無い「見た目が良く審美性に優れている素材」や「耐久性が高い素材」を選択出来るため、お口の見た目で悩んでいる方には非常に適しており、治療を受けるメリットも多いです。
もし、銀歯のぎらぎらした見た目で困っている、お口の見た目のせいでコンプレックスがある、等のお悩みがある場合には、コンプレックスを無くすためにもぜひ、ご自分の症状に合わせた保険適用外の審美治療をお受けになられてみてはいかがでしょうか。